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1985年式
アウトビアンキ A112 アバルト
もはや絶滅危惧種・・・ほぼオリジナルを維持する状態の良い
最終型アウトビアンキA112アバルトが残っていた・・・!
70年代熱いアバルトのラテンブロッドを感じるホット・ハッチは、
今尚エンスージアストの魂をがっちり掴む
魅惑の一台へと昇華した・・・!
やはり70年代アバルト創設者カルロ・アバルトの息吹は伊達ではなかった・・・。
アクセルレスポンス良く吹け上がる、ミッドレンジの効いたエキゾーストノートが林道にこだまし、ダウンヒルでもヒルクライムでも、ブレーキはコーナリングのきっかけのみ・・・クロスした5速ミッションの2〜3速が最も美味しい所と言わんばかりに、スパッと切り込みスッとコーナーに消えていく・・・。
人生集大成のアウトドアライフを追いかけ、普段は都内におられるオーナー様がこの最終型アウトビアンキA112アバルトとの蜜月を過ごされる為に選ばれたのは、人里離れた長野県の山中・・・。山小屋のガレージを一歩出るとそこはまさにA112アバルトを100%楽しむ為に選ばれた場所・・・!右に行っても左に行ってもほとんどクルマが来ない・・・という“最高の峠道”で、写真撮影の為、30分程大きな取材車で必死に追いかけたのは、アバルト創設者カルロ・アバルト自ら心血注ぎ込んだ最後の一台・・・もはや絶滅危惧種とも言える85年式最終型シリーズ7のアウトビアンキA112アバルトでした・・・。
CSC製マフラー交換とステアリングをMOMOに換装・・・社外ABCペダルを装着したのみ・・・、潔いハイトのある車高も眩しいほぼオリジナルの状態の個体は、社長自らアウトビアンキでレースをする程A112を得意とする長野県の某専門店で手厚いメンテナンスを受けた一台・・・。アップダウンの激しい狭い林道から山間のワインディングロードまで、まさに水を得た魚のように・・・、シフトアップ&ダウンを繰り返しながら、コンパクトなボディサイズから生まれる「重心モーメントの低さはこの為にあるっ!」と言わんばかり・・・ほぼロールもない程、非常に少ない姿勢変化で毎度コーナーに消えていくのです・・・。
遠くに北アルプスが一望できる場所でアバルトを止めて降りてこられたオーナー様は、大きな取材車を狭い林道で振り回し、必死で追いかけてきた筆者を尻目に「あぁ〜楽しかった・・・!」と笑顔満面・・・!これが「乗って楽しいアウトビアンキA112アバルト」の全てを語っていると一瞬で悟った瞬間だったのです・・・!
70年代・・・イタリアの名門チューナー・アバルトによって
その潜在能力を見抜かれたアウトビアンキA112アバルトの
ヒストリーとは・・・。
1950年代・・・ジャイアントキラーで知られた蠍の紋章「ABARTH・アバルト」の存在・・・。
それは圧倒的にミニマムながらも、まさに巨漢な象をも一撃で仕留めるサソリのイメージそのままを周到した、熱いラテンの血が流れる「特別な存在」でした・・・。
「重心モーメント変化の少ないコンパクトシャーシをエンジンチューンで磨き上げ、速いクルマを作り上げる」事をもっとも得意としたアバルトは、ベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニがデザインした、全長僅か3270mmのコンパクトな外観を持つアウトビアンキA112の潜在能力を見抜き、1970年にレーシングモデルであるアウトビアンキA112プロトティーポを製作しました・・・。このレース用に一台のみプロトタイピングされたA112は、アバルトが長年実績を積み上げた半球型燃焼室を持つラディアーレ・シリンダーヘッドが組み込まれ、排気量982ccから108hpを絞りだし最高速度208km/hというまさにレースで勝てるクルマであると言う実証をしますが、残念ながら試作車の段階でこのプロジェクトは一度終了してしまいます・・・。
しかし、翌年イタリア最大メーカーであるフィアットに吸収されたアウトビアンキは、オーナーの35%が18〜24歳の若者層かつ全体の35%が女性という、とりわけ若い世代の顧客に人気を博していたアウトビアンキA112の実績に目をつけ、新たなスポーツモデル開発がマーケットを広げるという新たなマーケティングの元、全く新しいプロジェクトとして新体制後改めて取り組んだプロジェクトが、アバルトによるチューンナップを受けた、アウトビアンキA112のスポーツモデルの開発となったのです・・・。
名門アバルトによるホットなチューニングが施された、コンパクトなアウトビアンキA112のスポーツモデル・・・!
今聞いてもゾクゾクする程魅力的なテーマではありませんか・・・!
このマーケティングテーマは見事に成功し、それまで“若い女性層”に大人気であった“コンパクトでかわいいクルマ・・・”は、“サソリの紋章を纏ったジャイアント・キラー・マシン”に変貌し、ハイ・パフォーマンスを求めるエンスージアストの憧れの的となったのです・・・!
今回の林道〜峠道追走時に感じたA112アバルトのマナー・・・。
都会の喧騒を抜け出し、まさに水を得た魚の如く・・・、ほとんど姿勢変化見せることなくドライバーをニンマリさせながらコーナー俊敏に走り抜けるA112アバルト・・・。
ラテン・ミニそのままのコンパクトなボディからは想像つかない程エキセントリックに感じる1050ccエンジンが絞り出すパワーと、アバルトが磨き上げた、コンパクトな車体をレースで勝たせる素晴らしいシャーシ技術とのバランスが、発売当時のエンスージアストの心をがっちり掴み、あっという間に欧州で大人気車種となります・・・。
アウトビアンキA112アバルトが最初にリリースされたのは1971年・・・当初は水冷OHV直列4気筒982ccユニットをベースにし、ABARTHのチューニングにより58hpのパワーを発揮し、それでも素晴らしい走りを展開したモデルは、1974年に登場したシリーズ3において、排気量を1050ccまで拡大・・・、更なるアバルトによるエンジン・チューニングも進められ、最高出力は70hpにまで引き上げられます・・・。
1979年に登場したシリーズ5からは、顧客の要望に応え、クロスギア比の5速トランスミッションが採用され、一段と走りを堪能できる一台へと昇華・・・。
1983年のシリーズ6からは安全対策面で大型バンパーが装備され、最終型1984年シリーズ7では、フロントバンパーにドライビング・ランプが組み込まれ、リアガーニッシュにはアバルトのロゴ入りリフレクターが採用され、より精悍でモダンな一台へと発展します・・・。
1969年のシリーズ1から1986年のシリーズ7最終型生産終了まで、生産された台数は実に1,254,178台・・・。アメリカやイギリスには正規輸出され無かった事を考えるとまさにスーパー・ラテン・ミニと言える存在のアウトビアンキA112アバルトですが、母国イタリアでさえ現存する車両はごく僅かと言われており、まさに今日絶滅危惧種となった存在です・・・。
コンパクトな車体とシンプルなラインで構成されたハッチバックスタイルは、必然的に日本でも大ヒット・・・、バブル経済前夜を非常に賑やかし、「アバルト」の名を知らなかった若者に「イタリア名門チューナー・アバルトとは・・・」を教示した存在でもありました・・・。
あの当時、あれだけ毎日街中で見かけた存在だったアウトビアンキA112アバルトも、イタリア母国同様の様相は否めず殆ど見かけない存在になってしまいました・・・。
まして「程度の良いオリジナルを色濃く残した個体」など、絶滅危惧種を超えて天然記念物的存在へと昇華したのでは無いでしょうか・・・。
次の章ではそんな貴重な個体をじっくりと紹介して参ります・・・。
人生をかけてアウトドアライフに傾倒・・・素晴らしい感性を
お持ちのオーナー様を突き動かした一台・・・1985年式最終型
シリーズ7アウトビアンキA112アバルトはこんな一台です・・・!
ひと月のうち半分は東京におられるのですが、それ以外は長野県某所の山小屋でアウトドア・ライフを満喫されるオーナー様・・・。キャンピングはもちろんの事、焚き火〜ハンティング〜トレッキング〜フライ・フィッシング〜などなど・・・その取り組み方は趣味の域を超え、まさに仙人様の様なライフスタイルを満喫されておられます・・・。日本全国山小屋を探しておられた所、辿りつかれたのは現在の長野県某山中・・・。アルプスの絶景と満点の星空に魅了され、ひと月の半分は山小屋に籠られると言う、感性豊かな非常に羨ましいライフスタイルを満喫されておられます・・・。
敷地を一歩出れば・・・右に行っても左に行っても峠道〜林道〜ワインディングが瞬時に広がると言う、まさにA112アバルトに乗る為の環境の中で、カルロ・アバルトのサソリの毒にすっかりやられてしまったオーナー様は、「エンジンをかけるだけでも思わず微笑んでしまう・・・少し走るだけでも心底満足できる・・・人の心を豊にしてくれる一台だね・・・!」と笑顔満面お答えいただきます・・・!
「いつかはアウトビアンキA112アバルトに乗ってみたい・・・」かねてより考えておられたオーナー様が、この個体との蜜月をスタートされたのは数年前のこと・・・。前・前オーナーがオリジナル同色で全塗装を行い、車内の音響効果をよくする目的で天井を含む内装材を張り替え、前述の通りCSC製マフラー交換と、ステアリングをMOMOに換装し、社外ABCペダルを装着するなど、未再生ではないもののオリジナルを非常に色濃く残した一台に出逢われます・・・。
機関に関しても歴代オーナーによりしっかり手が入った一台で、オーナー様手元の整備内容を列記すると・・・
2020年3月
- エンジンマウント本国輸入交換
- ABCペダルパッド交換
- 左右ドアハンドル本国輸入交換
- ステアリングラック脱着カラー交換
- サスペンション・アームキット使用、左右ロアアーム交換
- ブローバイ廻り加工〜エアクリーナーエレメント交換
- ペダルパッド本国輸入交換
- ブレーキマスターシリンダー本国輸入交換
- シフトリンク調整〜シフトノブ交換
- 配線まわり点検〜ヒューズボックス修理〜オーディオ取り付け
- ラジエーターリザーバータンクホース加工取り付け
- エンジン調整〜アライメント調整
2020年4月
- ブレーキ点検
- ホーン配線修理
- エンジンオイル交換
- シートレール調整
2020年5月
- エンジン調整
2020年7月
- ドアちり合わせ調整
- スタッドボルト修理
2021年6月
- ステアリング脱着〜ウインカーレバーリターン修理
- ステアリング脱着〜調整作業
- 油圧センサー交換
- 油温センサー交換
- ドライブシャフトブーツ交換
- ウオーターポンプ交換
- バッテリー端子交換
- ヘッドライトバルブ交換
- エンジン・オイルリーク点検清掃
- オイルパン締め付け点検
- スパークプラグ交換
- ハイテンションコード修理
- 冷却系点検清掃
- キャブレター点検調整
- サイドブレーキワイヤー点検
2021年10月
- オイルパンガスケット製作〜交換
- キャブ調整
- 車検取得
2023年2月
- クラッチワイヤー交換
- クラッチワイヤー取り付けピン作成交換
- キャブ調整
などなどとなっており、現在は信頼できる主治医として、長野県飯田市にある社長自らアウトビアンキでレースに参加される専門店様でお世話になっておられるとのことでした・・・。
現在気になる不具合は無いとのこと・・・。
なお言われないとわからないレベルですが、リアバンパーにゆっくりと押した跡があり、凹みはありませんが年輪ヘアラインがあります・・・。
また普段は傷みが広がらない様にとカバーをかけておられますが、ドライバーシートに3cm程のほつれがあります。
尚、サマータイヤは保管してあります・・・。
ストレスの無い素晴らしい環境で、まさにイキイキとしたコンディションを見せてくれる85年式最終型アウトビアンキA112アバルト・・・。
この原稿の通り、素敵な環境でとても大切にされ、アバルトがあるライフスタイルを心底楽しんでおられましたが、人生ライフステージの変化は誰にも音も立てずにやってくるもの・・・。オーナー様の諸事情で断腸の想いでこの度手放す事を決意されました・・・。
「エンジンをかけるだけでも思わず微笑んでしまう・・・少し走るだけでも心底満足できる・・・人の心を豊にしてくれる一台だね・・・!」
この想いをまだ見ぬ新オーナー様に引き継いで頂ければと思います・・・。
1985年式アウトビアンキA112アバルト取材後記・・・。
「じゃあ撮影場所まで30分ほどドライブするのでついてきてください・・・」
動画撮影用カメラをダッシュボードにセットして、取材車(ハイエース)で勾配のある林道を必死で追いかけた所からはじまった取材でした・・・。
ハイトの高い、細いノーマルタイヤを履いているにも関わらず、殆どロールせずにスパッっと切り込んで行く、素晴らしいアバルト・マナーを後方から眺めながら、街中で乗るのもファッショナブルで素敵ですが・・・やはり林道〜峠道で乗るとクルマがイキイキする様子が伝わってきます!
そんなドライバビリティを心底楽しむなら・・・やはりノーマルが一番・・・!
すでに発売から40年近く経過した個体・・・積極的に楽しみながら予防整備で更に良く“育てる楽しみ”がある個体と取材を通じて感じた次第です・・・。
もはや絶滅危惧種・・・ほぼオリジナルを維持する状態の良い最終型
アウトビアンキA112アバルトが残っていた・・・!70年代熱いアバルトの
ラテンブロッドを感じるホット・ハッチは、今尚エンスージアストの魂を
がっちり掴む魅惑の一台へと昇華した・・・!
是非究極の峠試乗見学に・・・人里離れた長野県までお越しください。
この大変素晴らしい「1985年式 アウトビアンキ A112 アバルト」は
現在長野県にあります。
個人間売買のため、消費税や諸費用等はかかりません。
本車両購入に際しての「自動車税月割精算」並びに「リサイクル預託金」に関してはご購入者様にご負担頂く事になります。
陸送等は購入者様の方でご手配をお願いいたしますが、筆者の業務でも、クラシックカー輸送業務を取り行っております。ご希望がありましたら是非ご相談ください。
【お問い合わせに際して・・・】
このページの車両は、クラシックカー・コレクタブルカーの越境ECサイト、「エステートセール®︎スプレマシー」に掲載されたものです。
至高・最高(スプレマシー)なエステートセール・・・とは。
過去の整備記録や修理歴など含めて現オーナー様から詳細ヒアリングを実施、事故歴の有無含めて取材しております。
大きな事故歴があった場合、また現オーナー様の所有歴が極端に短く、詳細がわからない場合は取材をお断りし、購入されるお客様に可能な限り安心をお届けする工夫を実施しております。
本記事内容は、2023年6月19日15時より、晴天の元、約3時間の取材時間の中で、オーナー様へのインタビュー、試乗体験したものを元に執筆作成したものです。限られた時間での確認につき現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があります、また執筆内容に関しても全て裏づけを取ったものではありません。状態等のコメントも、あくまで取材時の天候・状況及び筆者の主観によるものという事ご承知おき下さい・・・。
掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで「購入を前提」として検討されているお客様のみとさせて頂きます。
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